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ある雑誌の記事を紹介させていただきます。
認知症が進んで入院していた夫が、体をさすってくれと「さちえ!」と妻の名前を叫んでいた。妻は「大きな声を出さないでね。皆さんが手当をしてくださっているのだから」と優しく言いながら背中をさすっていた。
病院職員も仲の良い夫婦だと思っていた。何ヶ月か経ってご主人が亡くなり妻が病院に挨拶に来たとき職員から「さちえさんにもお世話になりました」と。妻は「ありがとうございました。でも私の名前はさちえではありません。主人は前妻の名前を呼んでいたのです」と。
後妻は「はい、はい」と笑顔で応えていたのである。職員が「さちえさんと呼ばれて妙ではなかったですか?」と尋ねたら、
妻は「主人はこの世界から離れて生きていたのですから、主人の気のすむようにするのが一番だと思ってきました。認知症の人に理屈を言っても仕方がないでしよう。
私が居て心が和んでいるのですから、たかが名前なんかどうでもいいじゃありませんか。認知症の人の心を優先すべきでしょう」と。
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